珍亀③~変な交雑種!?

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お待たせしました!珍亀シリーズ、第3弾!です。
関東周辺で年間100-200頭の漂着ウミガメを調査している立場から、珍しいカメがいたときに記事にして行こう!・・・というシリーズです。

しかしなかなか珍しいことがなく、まだシリーズ3回目です。
珍事件といえば、先日受けた通報で、珍しい模様のアオウミガメが。頭は無い。”うーん、なんか日本にあまりいない模様だなぁ。外国のアオみたいだなぁ”なんて言いながら漂着場所をよくよく見ると、”多摩川”と。”??河口ってことかな?”と思って住所を検索すると、中流。。。
結果、投棄された剥製でした。
なるほど、甲羅のテカリとカメの周りに散らばる藁はそういうことか・・・と納得。

本題に戻ります。

「今日、雑種のカメを調査したよ!」と、スタッフから連絡が。 
 ※ELNAでは死亡したウミガメの調査をしています

「雑種」と聞くと、「ウミガメに雑種ってあるの?」と、ご存知ない方も多いのではないでしょうか。
しかし実は、雑種は関東ではあまり珍しくありません!年間1-2頭いるかいないか程度で出現します。割合として1%くらいですがいることは居るということです。
関東では アカウミガメとタイマイの交雑種(以下、「アカタイ」とする)、アオウミガメとタイマイの交雑種というケースが見られています。
つまり関東でよくみられる雑種といえば、タイマイとの交雑です。
世界でもさまざまな場所で様々な種との交雑が報告されております。特にブラジルの方では交雑種が多いのが有名で、アカタイが有名ですが、その他にアカウミガメとヒメウミガメの交雑種も多いそうです(Soares et al. 2018)。

話しは戻ります。
調査した雑種の写真を見て・・・(。´・ω・)ん?・・・?!

なんか今までと違う。。。
いや、交雑種も個体によって特徴の出方が変わるので。。。しかし、これは、、、タイマイじゃなくてアオとアカの雑種では??

というわけで、今日の珍亀はコチラ!

甲羅のウロコはツルツル。お尻側だけ甲羅の縁がギザギザ。椎甲板(甲羅の真ん中の縦列)の形がアオ。ウロコの重なりはよく見えないけど、タイマイほどの瓦状には重なっていない

真上から見た頭は、アオウミガメソックリ。←ウロコの枚数や顔幅・形状が

色合いはアカ、でも何となくアオっぽさも有り? クチバシ写ってないので難しいけど。。
目の後ろのウロコは4枚ですね。鼻の上のウロコ(前額版という)共々アオの特徴に合致します。

ここでは載せられないけど(腐敗が酷いので)、後日クチバシの状態を見たらクチバシは尖っていませんでした。
(尖り具合はアオとアカの間くらい)

これは、”アオウミガメとアカウミガメの交雑種でしょう!”
いや、アオウミガメとアカウミガメの交雑種は既に国内外で報告されているんですよ?
でもなぜ珍亀シリーズで話題にしたかたというと、世界中見てもそれほど報告数が多くないんです。何よりELNAは関東で2003年から1,500頭以上の個体を調査してきましたが、初めてなんです!

日本語や英語で検索しても、アオとアカの交雑種の写真はあまり出て来ない。
他組織の方にもお願いして、写真を送ってもらいました。やはり、、、似ている。

しかし断定は危険です。
これからDNAでの解析をしていただき、確認する予定です。→解析の結果、母系がアカウミガメであることが判明(2022年7月5日追記)
以上、珍亀速報でした。(タイトル変わってるやん)

▼おまけ
アカウミガメとタイマイの交雑種

====
”珍亀”シリーズ①
 【珍】子ガメ生きていました
  珍亀、その後。。。

珍亀 シリーズ②
 クロウミガメの雑種??

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