マグロの延縄漁が原因なのか?~オサガメ・キャンペーン その3~

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こんにちは、エバーラスティング・ネイチャー(ELNA:エルナ)の菅沼です。【オサガメを一緒に増やしましょう】オサガメ保全キャンペーンとして、オサガメ保全に関するコラムを定期的に発信しています。

2000年に、衝撃的な論文がNatureに掲載されました。オサガメの減少は、マグロ延縄漁によって絶滅に向かっているというものです。それもあって、そうか、やはり延縄漁による混獲がオサガメを減少させているのだろうと納得したものです。この年の4月からインドネシア政府とWWF-Indonesiaの依頼により、オサガメのモニタリング調査をパプアで開始した年でした。彼らは、1993年からパプアのオサガメの繁殖状況のモニタリング調査を行っていたのですが資金難で継続できず、前年1999年9月に、タイマイ調査をパプアで行った際に依頼された事業でした。

2002年に、遠洋水産研究所(現国際水産研究所)の方が、当時日本ウミガメ協議会だった東京の事務所に来られて、オサガメの減少の要因が陸側にもあるのかどうか、調査してもらいたいとの依頼を受け2002年4月から調査を開始しました。ELNAがNPOとして設立したのは、まさにこの年の8月でした。

当時、オサガメが絶滅の危機に直面していたのは、マレーシア・メキシコ・コスタリカの3ヵ国だけです。下記のマグロ漁場図を見ていただければ分かると思いますが、ほぼ世界中でマグロ漁が行われています。また、大西洋ではオサガメは微増しているという報告があります。インド洋では南アフリカのオサガメ資源は減少しているという話はありません。

なぜ、上記3ヵ国だけオサガメは激減したのでしょうか。太平洋ではオサガメのまとまった繁殖地は、上記3ヵ国に加えてインドネシアのパプアだけです。

なぜ、パプアは絶滅の危機に陥らなかったのでしょうか。

そのことに気が付き、陸上にも問題があるかもしれないと思い始めたのです。

陸上に問題があるとすれば、やはり人との関連が考えられます。また、絶滅に瀕した3ヵ国の共通点に気が付きます。それによって、視野が広がったのですが、それを証明する手がかりが見当もつきません。次回から、その遅々たる歩みをつづっていこうと思います。

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