オサガメの減少原因とは?~オサガメ保全キャンペーン その2~
こんにちは、エバーラスティング・ネイチャー(ELNA:エルナ)の菅沼です。オサガメ保全キャンペーンということで、今後はオサガメ保全に関するコラムを定期的に発信していこうと思います。今日はその第二弾のコラムとなります。
ELNAがオサガメの補助金を水産庁から受けたのは2000年度からです。ELNAがインドネシアのパプアでオサガメプロジェクトに関わるようになったのは、1999年9月にタイマイの生息調査に行ったときでした。その時に、地元政府や地元民から依頼を受けて、2000年4月から当初はオサガメを守るプロジェクトが始まりました。
2000年は世界中のオサガメにとって一つの変遷期となった年で、テキサスA&M大学のJames Spotila博士がNatureにオサガメはマグロ延縄船の混獲で激減したという論文を書いた年です。
この論文が出て、世界はマグロ延縄船の混獲問題解決に向かって動き出します。水産庁のELNAへの調査はまさにその動きの中の一環でした。調査目的は、「オサガメの減少はマグロ延縄船ばかりではなく、陸上に問題はないのか」それを調査してもらいたいとのことでした。当時はマグロ延縄船で捕獲されたマグロの90%以上が日本で消費されていた時代です。
ELNAがこれまでオサガメのことを公表していなかったのは、水産庁の補助金であったことが理由ではありません。オサガメの科学的な減少原因がつかめておらず、その証明ができていなかったからです。20年もの間、ELNAの活動に支援していただいた水産庁には感謝しかありません。前回も書いたようにオサガメの減少原因が少し見えてきたのは、15年も経ってからです。
標識装着や確認の夜間パトロールばかりではなく、最近では卵の移植にも問題がありそうだということがわかってきました。移植の場合は、オサガメの問題だけでは済まされません。世界では、あらゆる種のウミガメの卵が孵化場に移植されています。日本でも東日本を中心に多くの地域で卵の移植が行われています。
研究や保護活動など、人為的な影響がウミガメを減少させている可能性を調べるためには、なぜ、それらが影響し、生息数を減少させているのか証明する必要があります。また、メキシコやコスタリカのオサガメはほぼ絶滅状態に陥っています。パプアのオサガメが太平洋のオサガメ繁殖地として最後の砦となっています。 ELNAのウミガメ保全の力を信じていただき、皆さまのご協力をお願いする次第です。
【ELNAのオサガメ保全活動を支援いただけませんか?】
水産庁の補助金は今年度で終了します。オサガメを増やす活動には皆様の資金援助が必要です。ELNAの活動に賛同しただける方は是非賛助会員に登録してください。また、オサガメを増やすことに賛同いただける方は、オサガメ活動資金の寄付をお願いいたします。以下のバーナーのクリックをお願いいたします。