【ご紹介】インドネシア現地パートナー団体YPLI

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ELNAが実施しているインドネシアでのウミガメ保全活動は全て、現地カウンターパートのYayasan Penyu Laut Indonesia(インドネシアウミガメ研究センター/YPLI)と実施しています。
※インドネシア国内でのウミガメ調査は外国人が直接実施することは禁じられている

YPLIから、自団体やスタッフ個々人の紹介を送っていただいたので、ここでご紹介いたします。

YPLIとは?

インドネシア ウミガメ研究センターは、 Yayasan Alam Lestari という名前で1997 年 4 月 27 日に設立されました。2009 年 10 月 1 日にYayasan Penyu Laut Indonesia /YPLIに名前が変更され、正式に合法化されました。
主な活動は、インドネシア諸島全般におけるウミガメの営巣地の保全と維持です。
YPLI は 1997 年からウミガメ卵の保護をしており、これまでにセガマ島 (ランプン州)、プスムット島 (ブリトン州)、モンペラン島 (ブリトン州)、キマール島 (ブリトン州)、ペナンブン島 (西カリマンタン州) 、ジェンウォモン海岸 とジェンシュアップ海岸 (西パプア州) とムブラニ海岸 (西パプア州) の8 か所で活動を実施してきましたが、現在は 6 か所しか残っていません。

YPLI はかつて、スリブ諸島から始め、ナツナ、スラサン、タンブラン、ブリトゥンとその周辺、ジャワ海、マカッサル海峡、南および南東スラウェシ周辺の島々、西カリマンタン、南および東カリマンタン、西パプアと、かなり広大な地域でウミガメの産卵状況調査を実施しました。
インドネシアにはウミガメの捕獲を禁止する法律があるにもかかわらず、卵とウミガメの両方を目的として依然として捕獲されています。その現状を考慮して、 YPLIの目標は、絶滅の危機に瀕しているウミガメを保全することです。
インドネシア列島は非常に広大であり遠隔地まで当局からの監視や監督が届いておりません。また、一般的に、絶滅の危機に瀕した動物、特にウミガメを保護する意識は欠如しています。これらの事実が、私たちをウミガメの保全に駆り立てさせるのです。

▼ELNAとの関わり

ウミガメの保全活動を行うにはもちろん多額の資金が必要です。
例えば、セガマ島やキマール島など個人所有の産卵地がいくつかあるため、産卵地の島を借りるのに必要です。借りる前以前は、島のすべてのウミガメの卵は、島の所有者または島に来る漁師によって採取されていました。さらに産卵と孵化の状況を確認するために島を訪問したり、卵の監視スタッフに支払ったり、監視小屋を建設したり、移動や生活物資を運搬する手段のための小船を提供したりするためだけでなく、監視員と職員への支払いにも資金が必要です。通常、私たちが管理する島には人が住んでいないため、私たちは独自の交通手段を提供する必要があります。
これらすべての YPLIの活動資金を提供するため、YPLIは創設以来これまでELNA からの定期的な資金を受け取ってきました。

ELNA は、資金提供とは別に、ウミガメを適切に管理する方法、データを収集してデータを管理する方法、ウミガメを減少させない方法に関する知識も提供しています。卵の捕食者やウミガメを救うための知識として得た他の多くのこと。さらに、YPLI は ELNA と協力して、政府の監視対象から遠く離れた場所にあるウミガメの産卵地を直接訪れ、調査も実施してきました。
もちろん、これらすべてを行うには、YPLI と ELNA に資金が必要です。
YPLI は、他の場所では得られなかったウミガメの管理について指導し、知識を提供してくれた ELNA に感謝しています。これからもELNA との良好な協力関係が続くことを願っています。

▼スタッフ紹介

■ 代表・Gunawan

初めまして、私はグナワンと申しまして、現在YPLIの代表をしております。 私は産業省の公務員として勤務しており、忙しいスケジュールの合間に、インドネシア海域のウミガメの保全のために時間を割いています。

インドネシアでは人員と資金が限られているため、産卵場所を監視することによってカメの捕食者から守り、卵の移植やふ化場への移動はおこなわずに、孵化したばかりの子ガメが自由に海に帰って行く形で、ウミガメを自然のままに保全しています。この保全手法は、孵化したばかりの子ガメの狂乱状態を強化して、捕食から逃れて成体になるまで力強く生き残ることができると考えられています。
ELNAはパートナーとして、この保全活動において多くの役割を果たしてきました。知的支援、専門スタッフ、設備、そして資金の両面においてです。
YPLI のスタッフと ELNA の専門家は、インドネシアでのカメの保全活動、特にタイマイとオサガメの保全活動に常に協力し合っています。
YPLI の活動は、ELNA の支援と十分な資金がなければうまくいきません。
私が知る限り、日本人は日本だけでなく国外においての自然保護活動にも高い関心を持っていると思います。
この保全活動に多大なご協力・ご支援をいただいている日本の皆さまに感謝します。ありがとうございます。

■ 事務管理・Ema

私が YPLI で働き始めたのは 1998 年 11 月でした。最初はカメについて聞いたことがありませんでした。「なぜウミガメを保護したり保護したりする必要があるのだろうか?」「ウミガメが人間の生活や環境に与える影響は何だろう?」と思っていました。
私は YPLI で管理および財務スタッフとして働いており、プスムット島、モンペラン島、キマール島、セガマ島でのふ化後調査に参加したのはほんの数回でした。ウミガメや卵を生で見るのもその時が初めてでした。
ウミガメについて私が非常に感動しているのは、太古のウミガメが進化して今も存在していて、それが自然下で見られるという事です。もしも沿岸の生息地を維持し続け、卵や生体を搾取しなければ、卵は産卵されて自然に孵化し、子孫が海に帰ることによって、いつまでも見ることができるのです。

最近、特にインドネシアでは、ウミガメは一般大衆と政府の両方から注目されています。ソーシャル メディアやTVで発信されるからです。生息地周辺の多くのコミュニティ組織がウミガメの保護に関心を持ち始めています。
でも彼らは、卵の移植(捕食者や盗掘・波等から卵を保護するために卵を人工の巣に移すこと)をするなど、自然なやり方でやっていません。孵化したばかりの子ガメを自然界でより生き生きとさせることを目的として孵化場の拡大を行っているウミガメの組織がいくつかありますが、このやり方は私たちの意見とは大きく異なります。
YPLIは、ウミガメの“個体数を増やすこと”を目的としており、移植ではなくて自然状態でウミガメの保全活動を実施しています。産卵された場所で自然にふ化して海へ帰っていきます。孵化したばかりの子ガメは匂いを嗅ぎ、孵化した場所を覚えることによって、自分が孵化したビーチにいつか戻って来られるでしょう。
一方、放流を待つ赤ちゃんガメを、水の中に入れて保管している場所もあります。赤ちゃんは水に入った時の狂乱状態により沖合へ向かい、餌場にたどり着けるといわれます。ですので、水に保管されてしまうと餌場にたどり着けない懸念があります。

私の意見では、産卵された場所で自然に孵化し、野生の中で繁栄する方が良いと思います。私たち人間には、ウミガメの邪魔をしない、飼わない、卵をとらない、カメを狩らないという義務があるだけです。それだけで、カメは海に存在し、持続可能です。

■調査員・Jamal

こんにちは。活動地においての調査や日々の管理、雇用している監視スタッフの育成や指示、ELNA調査のコーディネートなど担当しています。
インドネシアのいくつかの場所で実施してきた ELNAと一緒の調査活動は、常にうまくいきます。
仕事に対する忠誠心が非常に高く、私たちはウミガメの保全についての知識を共有してきました。
タイマイ担当のELNAスタッフのEmi さんは熱心に働き、仕事が徹底的です。非常に楽しい人で、同時に、他人の意見にもきちんと耳を傾けてくれます。

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