小笠原海洋センターのふ化率調査
小笠原諸島では8月に産卵シーズンが終わり、現在はふ化率調査の真っ只中です。ふ化率調査は、陸から行ける海岸もあれば、船を使うこともあります。日帰りの時もあれば宿泊をすることもあります。
そもそも、ふ化率調査とは・・・ウミガメの稚ガメのふ化が終わった産卵巣を一生懸命掘り、孵化した殻や死んでしまった卵を分別して、カウント・記録をします。中にはカニに食べられた跡やネズミに食べられた跡の殻が出てくることもあります。こうして記録することで各海岸の特徴が見えてきます。とても産卵が多い海岸でも殆どがカニに食べられてしまう海岸もあります。
産卵巣の深さは時に60cmを超える時もあり、掘っている人が埋まるほどの大きい穴になります。そんな時は母ガメの強さを身を持って感じます!
調査スタッフは、砂浜に寝そべりお腹をつけて、産卵巣のある砂を素手で掘っていきます。手の長さだけではふ化殻までたどりつけず、堀った穴に頭を入れるようにして掘り進めることもあります。そして、どんどん深爪になっていきます。かなり大変な作業です。調査すべき砂浜は小笠原諸島内に複数箇所あるので、何回かにわけてボランティアさんの力も借りながら進めています。
2020年度は調査の結果、小笠原諸島のアオウミガメは約55,000匹の稚ガメが海にかえったことがわかっています。今年は何匹になるのでしょうか?!
小笠原海洋センターの水槽では、今年生まれの子ガメたちがすくすく成長しています。食べ盛りなのか、水槽の近くに寄るだけで前肢を一生懸命動かして近づいてきます。とても可愛いので小笠原にいらっしゃる際には是非会いに来てください。