どんな変化があったか?-海洋生物・環境に関する人材育成事業-

Pocket

こんにちは、ELNA井ノ口です。
先日(株)ファンドレックスさん主催の無料相談サロンにて広報について勉強させていただきました。
その中で、勉強になったこと。
世の方はNPO活動の”成果”を知りたいと思っていましたが、

最近は活動によって”どんな変化があったのか!?”を知りたがっている。

・・・という話しが出て来て、ふむふむなるほど・・・となり、今日の記事では波及効果Impactについて書いてみようと思います。

▼”どんな変化があったのか?”の事例

「変化」で、すぐに思いついたのは、先日大学の授業でインターン受け入れをした学生さんのこと。
授業の一環で18h受け入れてくれる団体を探しているとのことで、

説明・ウミガメ海洋ゴミの軽い講義
 ↓
ウミガメ死亡漂着個体調査
 ↓
誤食ゴミ計測・骨格標本作成
 ↓
データ解析と記事作成

・・・と言う流れを体験いただきました。

終了後、彼女が授業で作成したエッセイを送ってくれました。
18hのインターン受入活動で、どんな変化があったのでしょうか!?

エッセイを抜粋すると

・全く考えていなかったけど、卒業後に海洋生物学を学びたい気持ちが芽生えた
・就職は大企業と思っていたのに、小規模企業の魅力を知った
・お金を稼ぐことを考えて、環境や社会への貢献なんて考えていなかったのに、18hで変わってしまった!

と、海洋生物・環境以外の影響もあり、面白い答えが。

それ以外に
『初めはウミガメがゴミを食べている事自体がショックだったのに、何頭分もウミガメが食べたゴミの量を量っていたら、少ない量のゴミを食べたカメは、”ラッキーなカメ” に認識が変わってしまった』
も。
他にも茨城の海岸で大量の漂着ゴミをみて衝撃を受けたり、色んな事を感じて、(彼女が書いたエッセイによると)彼女の中で大きな変化があったようです。

話しは冒頭に戻ります。
今回のインターン受入18hで、どんな変化があったでしょうか?

【まとめ:どんな変化があったのか?】
海洋生物や海洋環境を保全する団体としての立場で答えると、
・環境や社会へ貢献してくれる(可能性のある)人材を社会に誕生させた
・もしこれから海洋生物学を学ぶ方向に進めば、未解明の海洋の事実を解明されることにつながる可能性もある。
・少なくとも、海洋に関心を持つ人材を社会に増やした。
という変化を生み出しました。

▼人材育成の事業内容とその影響、社会的意義は??

ELNAが実施している『海洋生物・環境に関する人材育成』は、上記以外に下記のようなものがあります
・小笠原海洋センターを拠点にボランティアや研修の受け入れ(通年)
・海洋大学うみがめ研究会へのコロナにおけるオンライン講演会2回開催、ゼミでの講演や研究受入
・関東周辺における漂着ウミガメ調査等へのボランティア受け入れ

▽【一人の影響力】
これらの人材育成事業を体験された方がどれだけ世の中に影響力を及ぼしていくのかは分かりません。
しかし、例えばELNA創設者の菅沼はELNAを作り、周囲1.4kmの小さい島で始まった活動は、タイマイの産卵が当初は100巣分しかはありませんでしたが、今では約2,000巣にまで増加。絶滅寸前状態を脱出するまでに回復してきました。また、国内外の4種ウミガメの重要な産卵地へ活動拠点を広げ、職員も2人から10人に、かかわる現地スタッフも増えました。よって、一人の人が生み出すパワーや、影響はすごいと思います。

▽【人材の必要性】
そんな菅沼が人生かけても世界のウミガメを救うため、解明すべく生態研究は一世代では達成できそうもない状況です。それもそのはず、世界には何百人、何千人とウミガメ研究に携わっている研究者や学生がおりますが、いまだに解明されていないことだらけです。
同様に、海洋生物や海洋環境は陸上に比べて明らかになっていないことが多々あります。ゆえに、世代を超えて海洋生物や海洋環境の保全のため貢献してくれる人材を生み出していくことは重要なことです。

年間50名近くが参加してくださっている海洋センターのボランティアさんは、さまざまな職種に就いています。
私も学生時代にボランティア参加した一人です。私のようにELNAの活動を引き継ぐ役目を担った人も何人かおりますし、教員や公務員・海洋水産系・林業・ガイド・水族館・メディア・主婦…様々な形で社会の一員として海洋だけではなく自然につながるような視点を持った社会づくり、人間形成に、貢献しています。

地球規模で考えれば、微力な影響だとは思います。
しかし、ELNAの強みはフィールドで活動できる事です。フィールドが人に与えるインパクトは深いです! その分、影響は微力でも、各個人に対しては大きな変化を生み出していると言えると思います。

▼社会的意義をSDGsのカテゴリーで例えると
本事業は、SDGsで言うと下記のカテゴリーに貢献しています

14.1・・・日頃の生活行動から解決につながる行動をしてくれる人材を生み出していると考えられます
14.2、14.4・・・ボランティア参加を通して、該当事業の補助をすることで貢献してもらっています15.1,15.4,15.5,15.8・・・人材育成事業を通して、該当項目に貢献し得る人材育成に寄与しています

==========


ご支援のお願い

ELNAの人材育成事業を支えてくださる企業様を募集しています

▼ご支援があると
・小笠原への交通手段のフェリー代をサポートすることで、より多くの学生さん、一般の方々に参加いただけます
・職員の人件費を確保するため、資金獲得業務にも時間を割かねばならず、人材育成に時間をかけれていないのが実状です。資金サポートがあれば、職員がより多くの時間を育成事業に費やせるようになります。
・ご希望に応じて新たな環境教育プログラムを生み出すことができます

関連記事

  1. Sabira島での支援、知見の共有活動 -つづき
  2. 【人材育成】インドネシア・ウミガメシンポジウム
  3. 【タイマイ】プスムット島の活動状況
  4. 海洋センターのボランティアさんの声
  5. ELNAでの2年間の実習生活:カメに染まった大学生は何を思うか?…
  6. 新米研修スタッフの2週間 ~カメ漬け生活編~
  7. ウミガメ保全や調査手法の研修をしました
  8. 初めての離島生活@小笠原(木村莉子さん)
PAGE TOP