オサガメ調査の進捗2019年~現在

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ELNAでは、インドネシアで世界最大のウミガメであるオサガメの調査・保全活動を行っています。

ELNAのオサガメ事業を担当しているのは、ELNA創始者でもある菅沼です。(ウミガメ界で45年!)

最近オサガメについてご報告ができていなかったので、少し前になりますが、2019年から現在までの活動についてご報告します!

◆オサガメとは

成長すると体長が2m以上になります。その巨体と背中に7本のキールの入ったボディは一度見たら忘れられないはず。オサガメの背中は固い甲羅ではなく皮膚でおおわれているのも特徴的です。産卵地のパプアから索餌海域のカリフォルニアまで、片道約10,000kmもの長距離を泳ぎます。また1200m以上も潜水する特異なウミガメです。しかも、産卵海岸もかなり限定されています。

◆2019年

インドネシアのワルマメディ海岸では、2000年4月以降、年間を通してオサガメのモニタリング調査を行っています。日本からインドネシアの首都ジャカルタへ飛行機で行き、そこからバスや車や船を使って海岸まで移動します。(とても遠い!)

2019年の出来事としては・・・

近隣の村人がオサガメの卵を密漁し、市場で販売していた、ということがありました!監視員は盗掘された産卵巣は計数していなかったため、産卵巣数は少なかったです。

2019年8月~2020年1月はELNAスタッフが海岸に入れませんでした。これは、他団体によるELNAの追い出しの罠にはまったためです。。

このように、オサガメ保全事業は、人同士のやり取りがかなり大変です・・・


もちろん成果もありますのでご安心ください。オサガメの卵を食べるブタを海岸に立ち入らせないよう電気柵を設置しました。また、オサガメのモニタリング調査も引き続き行いました!


※海岸に入る前に市場で食料の買い出し。新鮮そうな野菜が並んでいます。


※食事で活動のためのエネルギー補給


※途中、ボートに乗って移動します。海の上は日差しが強く、スタッフも完全防備です。

◆2020年

2020年は、1月を最後に、今度は新型コロナウィルスの影響でELNAスタッフ(菅沼)は、現地に行くことができていません。現地スタッフがいるので、彼らにオサガメ産卵地の監視を続けてもらっています。ちなみに、現場でモニタリング調査を行っているのは、ELNAの監視員だけです。

現地に行けない歯がゆさはありますが、オサガメの産卵地である海岸は自然の状態に保たれています。オサガメが減少した原因は、卵の移植や夜間パトロールだと考えています(ELNAのウミガメ保全のモットーは、人為的な要因を排除して自然な状態が保てればウミガメが増える、です)。自然の状態が保たれている中で、オサガメの産卵数がどう変化していくのか楽しみなところです。

今は何をしているのかというと、まとまった時間ができたので、データの分析を行っています。卵の移植がオサガメ減少の要因、というのは証明できていません。この証明をしなくてはなりません。

実験やデータ分析というと地道な作業です。道のりは長いですが、これが証明できればインドネシアだけではなく、世界中のオサガメを増やすことができると考えています。

以上で、簡単ではありますが、近況報告とさせていただきます。ELNAのオサガメ保全事業は、たくさんの人達の協力や応援により成り立っています。引き続き、応援のほどよろしくお願いいたします!

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