タイマイ保全活動@プナンブン島の近況
タイマイ保全活動@プナンブン島の近況報告です。
経緯:プナンブン島では今でもタイマイ卵の盗掘が絶えません。保全活動を面白く思っていない漁師たちから嫌がらせもうけます。
2016年2月までは島に常駐できるスタッフがいないため、卵の盗掘がなくなるまでの期間移殖をしていました。
しかしあまりうまくいかなかったので、給料をあげることで常駐してもいいと思ってくれたスタッフを雇い、移殖はしない体制に切り替えました。
現地訪問・調査の結果
◆活動状況
2016年2月~9月まで、スタッフの活動状況は良かったが、段々微妙になってきた。(孵化もあるので悪くはない。移植は止めて完全自然ふ化になったのは良い。)
活動状況のよくない点について、理由を聞くとしょうがないと思える内容もあり、かつ改善の余地があるので、下記の2点を今後は主に改善するようお願いした(主な悪い点は下記の点)。
1.島を空にしない。必ず誰か常駐の卵監視員を滞在させる(卵の盗掘や活動への妨害を軽減させるため)
2.どうしても滞在できないときは、島に戻ってきた時に不在時の産卵巣を計数する。人に盗掘された巣も報告し、1か月に何巣産卵しているのかデータを漏れずに報告する
以上2点をメインに、「活動を改善できなければ活動を続けられない」ことを伝えた。
◆現地調査の達成度
下記のメイン目的を達成できた
1.しばらくぶりの現地視察(8カ月ぶり)で、現地をみて活動状況を知ること、仕事を改善してもらうためのコミュニケーションをとること
2.滞在中の産卵個体からDNAを取る→1産卵1サンプル(産卵が多い時期でない)
3.ふ化率調査を終わらす
◆監視小屋(現地スタッフの居住スペース)について
約10年前に作った小屋がガタがきているので、3ヶ月間まずは様子を見て活動状況が良ければ雨季前(8、9月)に新しい小屋建設を検討する(使える木材も使って7〜8万円くらいとのこと)。
◆周辺漁師からの嫌がらせについて
保全活動を面白く思ってない人たちに、今も産卵巣番号札やセクターの看板を抜かれたりする。 (夜間の上陸や、監視員が島を空にしていることが多少あり、その時にやられている)
活動をしていると卵がとれないので腹いせに嫌がらせをする。出てきた卵がアオだったり1週間以上の卵は取らないが、取れない腹いせに卵をうち捨てたり出てきた稚ガメを殺したりする。
インドネシアではアオではなくタイマイの卵が人気。プナンブンでは売るためではなく、自分たちの健康のために取る人が多いとのこと。
クミ氏(現スタッフ)の弟が監視員の時はその風貌が怖がられて悪い人が来なかったそう(しかし彼を雇う場合、もっと給料が必要)
◆ミズオオトカゲについて
セガマ諸島やプナンブン島で問題になっているミズオオトカゲは、その島の自然環境や人間の往来状況により生息・繁殖状況が変わってくることが分かった。すなわちミズオオトカゲによるウミガメ卵の食害状況もそれにより変わると思われる。
(例:キマル島はトカゲにとって好適な環境なので爆発的に増えたが、セガマはキマルほどの増加は見られなそうだ。プナンブンは全く適さない環境であるため近くの島にはトカゲいるのにプナンブンでは全く見ないしトカゲ害もない)
=====
以上、現地訪問による近況報告でした。
更に、ついさきほど新しい情報が入りまして、この島で巨大なワニが現われたそうです!
現地スタッフがビックリしております。4mのワニだそう。
コメント
-
2017年 7月 06日トラックバック:プナンブン島タイマイ保全事業 | ELNA
この記事へのコメントはありません。