タイマイ保全活動の近況&産卵動画~セガマ・ブサール島編
先日タイマイ保全活動地、セガマ・ブサール島を訪問してきました。
ここでは、産卵数が活動当初の約5倍になり、インドネシア国内でも最大規模の産卵地に育ちました!☆
昼間の産卵もしばしば見られ、タイマイの増加と産卵地としての安全性が感じられる島でした。
産卵の様子を動画で撮りました。
カメの種類によって産卵行動が少し違います。面白いですね。
この島は、縦長で周囲約1.4kmほど。
島の端の方に産んだ卵が水没や波の浸食をうけやすいです。
つまり、その卵は死んでしまうことが多いのですが、これを解決するため今回はカメの上陸を妨げていた流木(巨木)の除去をおこないました。
スマトラ島やジャワ島から沢山のごみと一緒に大木が流れついて海岸に横たわっていることがあり、本来海岸の上方で産卵するタイマイが倒木のせいで上にあがれず、下方で産んでしまうのを防ぐためです。
これ、理屈上では正しい対策と思いますが、実際は思うようにいきません。
今回海岸清掃後に産卵に来たウミガメが、海岸上部にあがれたものの砂が固すぎて結局海岸の下の方で産んでいるのを目撃しました。海岸清掃が果たして意味があるのか…(汗)、その効果については、今後調べてしていきます。
島には常駐スタッフがいて、毎日産卵パトロールをしてもらっています。
産卵があったところに番号札を付け、「〇〇番は何月何日に産卵。カメの種類、区間番号(場所)、番号札を付けた場所」を報告してもらいます。
この島の場合、島にある灯台を管理する職員を雇用している関係上、常駐スタッフが定期的に変わります。
つまり、仕事の質がその時の人材によって多少変わります。
現在のスタッフはウミガメに興味があるのか、とてもまじめに働いてくれていました。普通のスタッフは朝に起きてから島を一周して産卵の跡を確認するのですが、このスタッフは産卵がある夜のうちから島内を見回って、「区間No.どこどこで産卵上がっているよ」など教えてくれます。
「標識つけたカメもあがったよ」と動画を見せてくれたのですが、肝心の標識番号が読み取れない…!という嬉しいようなとても残念な出来事もありました(今度からは読み取れる画像を撮影してもらえるようお願いしました)。
彼はしばらく常駐してくれるそうなので、2017年は安定した活動ができそうです。
◆2017年の動き◆
今年は、島内で一番問題となっているミズオオトカゲによる卵食害の回避策を試す予定です。
実は、既にキマル島(ELNAの活動地)でも同種による食害回避策を実行しており、効果が出ています。
今回訪問により、キマル島とセガマ島では島にある自然素材が異なることが分かり、別の回避策をおこなうことを決めてきました。
この新たな回避策で効果が出た場合、トカゲ食害とは別の二次的な効果も期待でき、今から試すのが楽しみです。
実施内容はまだ秘密ですが、追って報告していきますので、楽しみにしていてください!
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2017年 7月 06日トラックバック:セガマ・ブサール島タイマイ保全プロジェクト | ELNA
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