終了報告「みくらのイルカ・イルカとみくら」
こんにちは。エバーラスティング・ネイチャーの岩井です。
11/16オンラインイベント「みくらのイルカ・イルカとみくら」を実施しました。20名の参加者にお集まりいただきました。
ELNAでは、今年度から伊豆諸島におけるウミガメの調査をスタートしました!そこでまず初めに訪れたのは御蔵島。ドルフィンスイムで有名な島です。
御蔵島では20年以上にわたり、島の周りに生息しているイルカの調査が行われています。水中映像をつかった個体識別調査を20年以上続けている例は、世界でも稀です。
今回、ゲスト講師としてお招きする小木万布氏は御蔵島観光協会の事務局長で、毎年行われているイルカの個体識別調査の取りまとめを行っていらっしゃいます。
今回のオンラインイベントでは御蔵島のことや、イルカの調査についてお話を聞くことができました。
調査では、御蔵島に生息するイルカを個体識別し何頭いるのか、赤ちゃんイルカが何頭生まれたのかなどの調査をされています。 全頭把握をされているとのこと、これはスゴイ!と思いました。
お話の中で印象的だったのが、人とイルカの関係です。
御蔵島はドルフィンスイムが有名で、ドルフィンスイムを始めて御蔵島への観光客の数も増えたそうです。その一方、イルカの数が減ってしまった時期があったそうです(ドルフィンスイムの回数を減らし対応した)。しかし、観光客の増加がイルカの減少に直接影響しているのか、それはドルフィンスイムを完全にストップしないとわからないとのことでした。ただ、ここ2年の新型コロナウィルスの影響で御蔵島への観光客が少なかったそうです。観光客の減少がイルカたちに何らかの影響を与えるのか、今後何かわかってくるかもしれません(or関連性を見つけるのは難しいかもしれません)。
そういった影響は、数年でわかるものではありません。小木氏のような方達がいらっしゃって、長い年月をかけて得たデータがあるからこそ見えてくるものがあります。
イルカと人の距離に関してはこんな話もありました。御蔵島のドルフィンスイムで、触りそうなくらい近づきすぎている写真をSNSにあげる人もいるそうです。むやみに野生動物に近づくものではないのですが、映える写真をアップするために、イルカに近づきすぎてしまうとのこと。ドルフィンスイムで自然の大切さを感じる人が大勢いる一方、ルールを守らない人達がいることの問題も教えていただきました。
また、イルカの寿命は正確にはわかっていなくて、あと何十年も調査を続けて初めてわかるとのことでした。ウミガメの生態解明も、何年・何十年もの調査の積み重ねが必要になってきます。特に海の生物は普段の様子を伺いすることが簡単ではありません。地道な調査を続けていくことの重要性を改めて感じました。
エバーラスティング・ネイチャーはウミガメ調査・保全の団体なので小木氏のお話が共通することも多く、また新しい気付きも得られました。私にとっても、もちろん参加された皆様にとっても有意義な時間になりました。
参加者の方の感想 ※一部抜粋
日本のエコツーリズムの現状が知れてよかったです。
長期間にわたる調査の結果をご共有いただき、長期にわたる現場での定点観測の説得力の高さを感じることができました。