終了報告「ウミガメ報告会(小笠原)」

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3月6日の18:30~20:00にウミガメ報告会を開催しました。

毎年、小笠原の父島で開催していましたが、今年は、初のオンライン開催となりました。

ご参加いただきました皆様、ありがとうございました!

1.産卵巣報告&迷走報告(ELNA 田中

日本最大のアオウミガメの産卵地である小笠原。エバーラスティング・ネイチャー(ELNA)は、継続的なモニタリング調査を行っています。2021年は、小笠原諸島内で産卵巣約1,700頭が確認され、母ガメが約450頭、産卵に関わったと推定されます。産卵巣の被害に関しては、食害が多く、内訳をみるとカニによる被害が一番多かったです。小笠原から海に帰った稚ガメは・・・約5万匹!ボランティアさんやご支援者の皆様のお陰で、2021年もたくさんの稚ガメが海へと旅立っていきました。

2.探巣犬プロジェクト(ELNA 大久保)

国際動物専門学校さんと共同で、探巣犬(たんそうけん)プロジェクトを進めております。探巣犬とは、ウミガメの産卵巣を探すワーキングドッグのことです。プロジェクトの主役は、黒いボディのワーキングドッグ、保護犬出身のケンシロウくん(ケンちゃん)です。トレーニングを経て、2021年は実際に小笠原の砂浜で卵探しに挑戦をしました。まだまだトレーニング途中のケンちゃんの今後に期待です!

また、後半はゲスト講師の方達にウミガメに関する研究発表をしていただきました。

3.小笠原のアオウミガメは地球温暖化に適応するのか(東京農工大学 小林翔平氏)

地球温暖化がウミガメにどんな影響を与えるのでしょうか?水位があがって産卵できる場所がなくなる?など様々な影響が考えられますが、稚ガメへの影響を調査されたとのこと。その結果、温度の上昇が生まれてくる稚ガメのサイズや甲羅の奇形や運動性に影響があることがわかってきたそうです。また、ウミガメ派卵の時の温度で性決定をします。温暖化をすると全部メスになってしまうのか??と思ってしまいますが、そうやらウミガメには温暖化を生き抜く知恵がありそうです。私たちが思う以上にウミガメはたくましい生き物なのかもしれません。

4.小笠原のウミガメはどこに行くのか?(東京農工大学 福岡拓也氏)

小笠原で生まれた稚ガメは外洋で大きくなり、亜生体になると沿岸域で暮らし、成体へと成長します。そして、数年ごとに繁殖のために小笠原にやってきます。オスはメスと違い産卵上陸をしないため、オスの生態に関してあまり研究がされていません。発信機をつけてアオウミガメのオスがどのように移動するのか、その調査結果を発表していただきました。また、海の中でウミガメがどのように目的地にたどりつけるのか、という話も大変興味深かったです。

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