新米研修スタッフの2週間 ~カメ漬け生活編~
はじめまして。現在横浜で修行中の新米研修スタッフです。
時の流れは早いもので、僕がはるばる(?)大阪から上京して2週間が経ちました!業務のことやカメのあれこれについて勉強中の日々です・・・
そんなカメ漬けの生活の中、つい先日アオウミガメとダイビングする夢を見ました(笑)寝ても覚めてもウミガメ。今回はそんな新米スタッフの日常奮闘記です。
◆ Day 2にしてまさかの混獲対応!?
研修初日。フレッシュな気持ちでELNA横浜事務所のドアを開けます。最初は座学から始まり、初日は落ち着いた研修となりました。あの連絡があるまでは・・・
「アカウミガメ混獲です。明日解剖調査行きます。」
えぇぇぇ~!?いきなり~!?噂には聞いていた混獲調査が2日目にしてやってきてしまいました・・・次の日、先輩たちに連れられて調査へ!
「混獲」とは漁業の網に狙っていない生物がかかってしまうことです。ELNAでは漁師さんの協力の元、ウミガメ生態調査のため万が一混獲があった場合に、連絡をいただいています。この日は体長約65cmのアカウミガメでした。
アカウミガメってほんとに赤いんだな~。そんなことを思いながら、後で見返すことができるように、解剖の様子をしっかりデジカメに収めます。
↑この黒い機械を使ってカメの体に標識タグが埋め込まれていないか調べます。
テキパキと計測を終え、解剖をこなす先輩スタッフ。一つ一つの工程を丁寧に説明していただき非常に勉強になりました。
―― 解剖の工程を覚えるだけじゃなくて、何を見たらいいか。どの部分を見てそれを他の事例とどうつなげていくかが重要。
必死にデジカメで作業を撮影していた僕ですが、解剖のその先を見つめた先輩スタッフの発言に思わず心打たれましたΣ(゚□゚;)大事なのは解剖のプロセスや集めたデータではなくて、それをどう活用していくかということでしょうか。もちろんウミガメの体の構造を学ぶ非常にいい経験にもなりました。
◆ どきどき!『ウメガミレクチャー』チェック
小笠原海洋センターの業務やELNAの事務的なことについて座学をこなしていく僕でしたが、ここで研修初の試練が!!!
僕が着任予定の小笠原海洋センターでは、ウミガメのことをたっっっぷりと学ぶことができる「ウミガメ教室」(詳しくはこちら)というプログラムがあります。その中にスライド形式でウミガメの生態や歴史と現状を解説していく「ウミガメレクチャー」というものがあり、僕もゆくゆくは一人でできるようにと練習中・・・
そしてこの日は・・・ みなさん一度は経験したであろう 先輩のチェック(汗)
結果は・・・(ドラムロール)
↑ウミガメレッスン中。オンラインでのチェックです。
う~ん。細かくご指導を受けました・・・まだまだ反省点が多いことは自分でも自覚しておりますっ。指摘されたポイントを訂正し、クオリティを高めていけるよう精進いたします!!!
◆ ウミガメの頭骨を眺める
横浜事務所には博物館も顔負けのウミガメ骨格標本コレクションがあります。この日は先輩の方にプチ頭骨ツアーをして頂きました!
こんなかんじ(ズラッ…)
↓↓↓こちらはアカウミガメ
↓↓↓これがタイマイ
↓↓↓最後がオサガメ
形状が違うのがおわかりでしょうか?もちろん大きさは全然違います。
アカウミガメは固い貝類や甲殻類をかみ砕くため、がっちりとした頑丈なアゴを手に入れました。タイマイのくちばしは海綿類をついばむためこのように尖った形に。オサガメはクラゲが主食。柔らかいものを食べるため下あごがあまり発達していません。食性の違いが頭骨に反映されている、ということですね。ちなみにELNAといえばアオウミガメですが、この日は展示用に出張中でした・・・
◆ ウミガメと小笠原、そしてELNAとは
そんなカメ漬けの生活を送っている僕ですが、学ぶことはウミガメの生態や海洋センターの業務についてだけではありません。
―― 現場で調査に臨むときはただ漠然と業務をこなすのではなく、ウミガメの生態を常に考えて行動しないと調査の意味が見えてこない。産卵場所一つをとっても常に意識することが大切だ。
そう語るのはこの方。ELNA創設者であり現常勤理事である菅沼弘行氏です(写真右)
↑小笠原の海図を指さしながら各浜辺の特徴を話す菅沼常勤理事
―ー 小笠原は浜辺によって性質が違うんだ。母ガメがなぜその浜、その場所で産卵したのかを考える。それを常に頭に入れておいた方がいい。
父島には約30か所、アオウミガメの産卵浜があります。砂の粒の形状や大小、砂浜の高低差など、それぞれバリエーションに富んでいます。なぜその海岸のその位置を母ガメは選んだのか?そういうことを常に考えて仕事に臨んでほしいと菅沼常勤理事は語ります。
ウミガメ研究の裏事情や小笠原の歴史、ELNAの保護に対する考え方など、ここでしか聞くことができない話も盛りだくさん。保護に関わる仕事に就く上での心の在り方や姿勢を学びます。菅沼常勤理事とのお話は、いわば「ウミガメ保護の道徳」の時間です。
最後に・・・
長々と日々のことについて書いてきました。いかがでしたでしょうか?ウミガメについてはまだまだ未熟な僕ですが、先輩たちのサポートを受けながらなんとか頑張っています!小笠原海洋センター着任までの内地での時間を有効に使い、信頼できるスタッフの一員に、いち早くなれるよう日々勉強あるのみです!
以上、新米研修スタッフの近況報告でした。