ウミガメ漂着個体と海洋ゴミの調査2019年度
こんにちは。ELNAスタッフの岩井です。2019年4月から地球環境基金さんに助成金をいただき、ウミガメとゴミの関係について調査をしています。皆様からの関心も高いですし、SDGsの目標14「海の豊かさを守ろう」を推進しているELNAとしてはぜひとも取り組まなければならない課題だと感じています。
ウミガメはまだまだ分かっていないことが多い生き物です。わかならいまま保全をしてしまっては、間違ったやり方でウミガメにとって悪影響にもなりかねません。調査を行い、ウミガメの生態を把握することで、正しい保全方法がとれると私たちは考えます。
なので、調査はとても大切なのです!
さて、ELNAでは、海で死んで漂着したウミガメや、漁業の網に間違ってかかってしまったウミガメの調査を2001年からおこなっています。
2019年1月~11月まで206頭の情報をいただき、うち、現場に直接赴いて調査をしたのは、161頭でした。毎年100頭ほど現地調査をしていますが、過去最高の調査数になりそうです。
砂浜にこのような形でうちあがっています。調査は基本的に全て死んだカメなのですが、今年は生きたカメも混獲されたと連絡いただきまして、調査しました。
これから砂浜に運ばれ海に放流されるウミガメ(この子はおとなしくしていました。走行中のトラックから逃亡を試みる子もいます。。)
今年度は新しい試みがあります。1つは茨城県神栖市での定期調査です。たくさんのカメが砂浜に流れ着くので、その実態を把握するための調査をしました。
約15kmの海岸を、ひたすら歩いてカメを探すという方法です。とっても地道です。一日で全地域を調査できないので、今日はこの区間を2チームに分かれて探す、など少しづつ調査をしています。真夏は遮るものがない砂浜を歩いているとクラクラしてきます。けっこうハードワークです。熱射病になってしまってもいけないので、休憩しつつ無理のない範囲で頑張りました!
6月から開始し、5回実施し、計39頭を見つけました。多い日で1日に13頭いました。
ゴミの調査ですが、漂着個体の食道、胃、腸に入っているゴミをとりわけ、事務所に持って帰り、再度洗い、乾燥させます。
その後は、個体ごとに袋に入れております。これらのデータをまとめ、分析をしています。
ウミガメがみんなゴミを食べているのかというと、腐敗が進んでない個体、腐敗が進んでいる個体、すでにほぼ白骨化している個体もあるので、割合を出すのが少し難しいです。
白骨化したもの、腐敗が進んだ個体を除くと4割ぐらいのウミガメがゴミを摂取していました。現場で調査をしているとゴミを摂取している個体は多い!と感じます。ゴミでお腹がパンパンなわけではなく、たくさん食べている個体もいれば、プラスチックの破片を少しだけ食べている個体もいました。
まだまだ分析・解析途中ですので、また結果がわかりましたらご報告したいと思います!