カメ屋さんたち
英語でもturtlerという造語を使っている。国際的なウミガメ・メイリングリストはCturlteという言葉を使っている。毎年、1回世界各地で開催される国際シンポジウムでは、多い時には2000名もの参加者がいる。僕は1988年の第8回シンポジウムから参加し、当時の参加者は300名位だったと思う。今年は、トルコで第35回シンポが4月に開催される。
日本だけ見ても、個人や団体を含めると60以上になっている。そのほとんどが、ボランティアとして産卵期になると海岸で調査をしている。中には毎晩海岸でウミガメを探し、標識放流や卵の移植をやっている人々もいる。中には、小学校や中学校の子供たちが夜の見回りや、ウミガメの保護もしている。仕事としてウミガメと接している団体は、日本には僕の知っている限りでは、水族館や大学の研究や調査などを除くと、ELNAを含めて2団体しかない。国際会議でも日本からの出席者はこの2団体と学生がほとんど占める。大学生のサークルでウミガメの調査を行っている団体は、鹿児島大、三重大、東京海洋大、琉球大、福井大(かつては京都大にもあった)だけであり、この中でも国際会議に出席して発表しているところは、東京海洋大のウミガメ研究会だけである。世界的にみると、大学でこのようなウミガメのサークルがあるところは聞いたことがない。これは、日本が世界に誇れることなのである。